ボルダーオパールについてもっと知りたい方へ、今回は「ボルダー」と呼ばれるボルダーオパールについて詳しく説明していきたいと思います。
ボルダーオパールのボルダーとは?
ボルダーオパールを大きく分けると4種類、現地では「そのうちの1種類」をボルダーと呼んでいます。さらに続けると、ボルダーにも2種類あるわけですが、、
「4種類?ボルダーと呼んでいる?」
「ボルダーにも2種類?」
「ん??」と思った方は、下の記事をどうぞ。
それでは、これより本題に入っていきたいと思います。まずは「今までに実際に受けた質問」をもとに「それに対する私の考え」を改めてまとめてみました。
なお、今回はボルダーの中でも「フルフェイス」と呼ばれるタイプのものに限定した内容となっております。
※以下、ボルダーという言葉はフルフェイスを指して使われています。
1. ボルダーに関する質問集
Q. タキさんの目利きに関する記事は読みましたが、目利きする上で「ボルダーならではのこと」はあるのでしょうか?
A. はい、あります。出会える機会は少ないですが、たまに遊色と遊色が生み出す模様が「まるで絵のように美しい」、ピクチャーストーンと呼ばれるボルダーに出会うことがあります。
そんなボルダーには大きな加点を与えるべきだと思っています。例えば下の写真のようなボルダーです。
<ピクチャーストーン>
異なった色を持つ遊色が生み出す何とも言えない美しさ、まるで絵に描いたような美しさですよね。
遊色の強さも十分にありますので、ハイグレードと呼ぶに相応しい一品です。
さらに続けるのであれば、表面に目立ったキズ(マイナス要素)も無く、石に「でこぼこ・へこみ等」もありません。いわゆるクリーンフェイスを持つ「ハンサムなルース」です。
クリーンフェイスのハイグレードボルダー、さらにルースとしての形良し、高級装飾品の素材としての需要がぐっと高まったのでしょう、市場での売買価格(2022年4月現在)もさらにぐいぐいと上昇しています。
逆に、マトリックスの表面にあるマイナス要素とは訳が違い、ボルダーの表面にある目立つマイナス要素は、石の価値を必要以上に大きく下げてしまう傾向にあるようです。
個人的にも、マトリックスとボルダーに求める美しさは異なり、後者の石にはより完璧な美しさを求めてしまいます。
現に、良いボルダーがあると友人から連絡があった時は、石の大きさや特徴はさておき、クリーンかどうかをまずは最初に尋ねてしまいます。
Q. 裏面とサイドはどう目利きすればよいのですか?
A. これと言って特別なことはなく、他のボルダーオパールと同様の判断の仕方で良いと思います。せっかくですので、上の石の裏面やサイドを一緒に見ていきましょう。
<裏面>
<サイド>
裏面に小穴と研磨の甘い箇所を確認出来ます。きわどいものですが、この程度であれば「(ぎりぎり)許容範囲内のマイナス要素」と考え、価値を大きく下に見積もることはありません。
正規の価値より10%ほど割り引いて考えるだけでけっこうだと思います。
Q. 石の大きさに関してはどうですか?
A. よほどの美しさを持つ石でない限り、他のボルダーオパールと同様、小さすぎる石(3.0ct未満)は過大評価されるべきでは無いと思って石を見ております。
※上の写真の石の重さは「8.0ct」、サイズは「20mm x 9mm x 4mm」
Q. ボルダーの目利きって難しくないですか?
A. はい、私もそう思います。母岩の上に遊色層がある(石の面を覆うようにオパールが広がっている) オパールらしいオパールだからでしょう、ボルダーの美しさには惑わされやすいですよね。
余談ですが、遊色が持つ価値を目利きする力・産出量や市場の流れ云々(うんぬん)はさておき、目利きの基準になる信用出来る石を何個か持っていると、目利きをする際の手助けになると思いますよ。
2. 販売価格
では実際のところ、いくらぐらい出せば、上の写真にあるようなボルダーを手に入れることが出来るのでしょうか?
以下、相場情報と言っては語弊がありますが、購入する際の参考になれば幸いです。
<7.4ct>
重さ「7.4ct」、サイズは「26mm x 7mm x 3.5mm」、裏面やサイドの状態は許容範囲内、綺麗な遊色を持つ石です。
このボルダーで24000円前後~(Aクラス)での販売と言ったところでしょうか。※以下、価格は全て2022年4月現在のもの
グレードが高い石であることに間違いはありません。
産出量や市場の流れを考えても「こんな低価格」で販売するべきではない、分かってはいるのですが、これが私のスタイルです。
<9.5ct 表面>
重さ「9.5ct」、サイズは「34mm x 9mm x 3.5mm」、非常に綺麗な遊色を持つ石です。表面を見る限りは43000円~(AAクラス)なのですが、、
<9.5ct 裏面>
裏面に小穴のような、クラックのような長い溝を確認出来ます。残念ですが、これを「許容範囲内のマイナス要素」と呼ぶことは出来ませんので、ワンランクダウンの34000円~(Aクラス)での販売です。
<8.0ct>
前半部分で一緒に目利きしたピクチャーストーンです。
重さは「8.0ct」、サイズは「20mm x 9mm x 4mm」、裏面やサイドの状態は(ぎりぎり)許容範囲内、58000円~(AAクラス)での販売です。
<6.6ct>
重さ「6.6ct」、サイズは「18mm x 7mm x 3.5mm」、裏面やサイドの状態は許容範囲内、68000円~(AAクラス)での販売です。
石の大きさは比較的小振りですが、「ジェムカラー」・「赤系統の遊色」・「マルチカラー」、これらが石の価値を大きく高めてくれました。
<9.5ct>
<9.5ct 別角度>
重さ「9.5ct」、サイズは「29mm x 7mm x 4.5mm」、裏面やサイドの状態は許容範囲内、これまでに紹介してきた石よりも頭ひとつ抜き出た美しさを持つ石です。
遊色は、上でご紹介した「8.0ct」の石が持つものと同系統のものですが、遊色層がさらに厚い分、より厚みのある輝きを放っています。
<サイド>
なかなかの厚みだと思いませんか?この石で78000円~(AAクラス)の販売です。
<68.5ct>
最後に紹介する石のサイズは「43.5mm x 28mm x 4.5mm」、裏面やサイドの状態は許容範囲内、重さ「68.5ct」の「大きな美の塊」です。
しかし、よーく表面を見てみると、、
<68.5ct 別角度>
複数個の小さな割れ(フラクチャー)があるのが分かりますでしょうか?
迫力がある非常に美しいピクチャーストーン、正規の価格より25%割り引いて「120000円~」での販売です。
あとがき
自分でもたまにそう思うように、時に私の目利きは厳しすぎると指摘されます。
しかしそれが「品質>販売価格」の不等式を自然と作り出し、多くの方に喜んでいただけているのですから、目利きは厳しすぎるぐらいがちょうどいいのです。
余談ですが、下のようなボルダーであれば1000円前後で購入出来ると思いますので、目利きの基準になる石として1個持っていてもよいと思いますよ。
※価格は2020年5月21日現在のもの、最新の価格情報をお届けできるよう心掛けています。
<1000円前後で買えるボルダー>
以上、「ボルダーオパールとは?【特集】フルフェイスボルダーの価値は?」でした。完
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記事公開日 2020年1月19日, 最終更新日 2022年4月3日