ボルダーオパール鉱山の様子と片道1000キロの長い道のり

    ボルダーオパール鉱山の様子

     

    このブログには、作者TAKIが現地で経験して育んだボルダーオパールに関する知識や情報、実際の体験から得たアイディアなどが惜しむことなく記されています。多くの方にシェアしていただければ幸いです。

     

    今回のテーマは、「ボルダーオパール鉱山とは一体どんな所なのか?」写真を多めに交えながら書き進めていきたいと思います。

     

    ボルダーオパール鉱山までの道のり

    そもそも、ボルダーオパールの鉱山はどんな所にあるのでしょう?オーストラリア人さえからも、『どこにあるの?どのくらいかかるの?』と聞かれることもあるわけですが、ブリズベンより内陸部へ約1000キロ、車で約12時間ほど進んだ所にあります。

     

    1000キロのうちの700キロは下の写真のような景色が続きます。一見のんびりと見えるこの道路の法定速度は時速100キロ、対向車とすれ違う時は今でもハンドルを握る手に自然と力が入ってしまいます。ガソリンスタンドも何ヶ所もあるわけではありませんので、常に満タンを心掛けての運転です。

     

    <<道路の様子>>

    ボルダーオパール鉱山への道のりここからは

    1. 出発に向けての準備

    特にこれといって準備するものはありませんが、道中でいくつかのトラブルを経験してからというもの、車の点検整備だけは欠かさずに行っています。

     

    もしも大雨が降った直後であれば、道路状況に関する情報を積極的に収集する必要もあります。内陸部の道路は冠水しやすく、一度冠水したら水が引くのに時間がかかるからです。

     

    過去に数回だけ規制解除直後に車を走らせたことがありますが、その中の一回は「本当に走って大丈夫なのか?」と思うぐらい道路に水が残っていて大変な目に遭いました。舗装されていない道に関しては言うまでもありません。

    2. 鉱山へ向けていざ出発

    当日は水や着替えなどの荷物を車に積み込んだら、あとは出発の時間までいつもと同じように過ごします。色々な時間を試しましたが、最近では20時前に家を出て、近所のスーパーとガソリンスタンドに寄ってから行くというのがお決まりのパターンになっています。

     

    家を出てから最初の300キロは携帯の電波も届いていますし、比較的安心したドライブが出来ます。とは言え、全体的に道は暗く、すでに中央分離帯が無い道路(法定速度時速100キロ)も出てきますので、何かと神経を使った運転ではあります。

    3. 本格的な旅の始まり

    300キロを過ぎた辺りから雰囲気も変わりだし、いよいよアウトバック(オーストラリア内陸部)への旅が始まるといった感じです。時刻は午前1時前、道も明らかに細くなり、ヘッドライトの明かりだけが道路を照らしている中、時速30キロでの運転が朝まで続きます。

     

    <<真夜中の運転>>

    ボルダーオパール鉱山への道のり夜中の運転

     

    時速30キロで運転?と思われるかもしれませんが、アウトバックでの夜の運転は非常に危険で、カンガルーの行動が活発になる16時以降の運転は控えたほうがよいと言われています。

     

    なお、ここからは携帯電話は使えませんので少し覚悟を決めて運転する必要があります。※集落や小さい町ごとに電波を拾う場所はあるのですが、どこどこの店の前など非常に限定的で、それも目的地までに数か所あるのみです

    4. 夜が明けてからの運転

    夜通し運転した甲斐あって、もう少し頑張れば残り半分です。暗闇から解放され視界も良好、運転もしやすくなってきました。先を急ぎたいところですが、安全第一、カンガルーが活動している朝の8時くらいまでは辛抱の運転が続きます。

     

    家を出発してから15時間30分経過、太陽は真上まで来ましたが車の運転はまだ続いています。道もさらに細くなってきました。さらに1時間ほど進むと今度は坂が多くなってきます。対向車の存在を確認しにくいのでハッとする時はありますが、道中で一番好きな景色があるのもこのあたりです。

     

    <<細くなってきた道>>

    ボルダーオパール鉱山への道のり細くなってきた道

    5. 明日に備えて

    出発から17時間経過、時刻にして午後1時、12時間以上掛かりましたが無事にヤワの町に到着です。鉱山巡りは明日からとし、今日はこの町でゆっくりしたいと思います。

     

    余談ですが、ボルダーオパールの産地としてお馴染みのウィントンは、ここからさらに北へ1000キロの道のりです。あまり知られていませんが、オーストラリアの航空会社「カンタス航空」誕生の地でもあります。※Qantas Airways/Queensland and Northern Territory Aerial services Airways)

     

    <<クィーンズランド州西部 ヤワ Yowah>>

    ボルダーオパール鉱山への道のりヤワの様子

    6. 鉱山の様子

    いよいよ今日は鉱山へ向けて出発です。来た道を60キロぐらい戻り、赤土むきだしの荒れた道を20キロほど進むと下の写真のような場所に到着します。これがボルダーオパールの鉱山です。

     

    <<ボルダーオパール採掘現場>>

    ボルダーオパール鉱山の様子シリカの丘

     

    上の写真、奥に見える丘は非常に硬い物質シリカで出来ています。気の遠くなるような長い年月をかけ、風が柔らかい赤土部分を削り、そしてシリカ部分だけが残ったためにこのような景色になったと言われています。

     

    次は実際の採掘の様子です。オパールが出やすい深さを目指し、重機を使って岩を掘り上げる作業を行っています。けっこう深く掘り進めていますが、この3倍は深く掘る必要があり、あと2か月は穴を掘っては拡げての作業が繰り返し続くでしょう。

     

    <<実際の採掘の様子>>

    ボルダーオパール鉱山採掘の様子

     

    ここで掘り上げられた岩はどうなるのでしょうか?ボルダーオパールはこのような岩の中に入っており、ただの岩なのか?オパールが入っている岩なのか?これは外見からでは誰にも判断出来ないことです。

     

    そこでジャックハンマーという機械の登場です。コンクリートなどを砕く際に使用するこの機械を使い、岩をひとつづつ割って中身を確認していきます。独特な砂漠気候の中、20キロ以上あるこのマシーンを持ち上げ、そして岩に押し当てるこの作業は見かけ以上に大変です。

     

    <<中身の確認作業>>

    ボルダーオパール鉱山確認作業

     

    石を割り続けていると、30個に1個ぐらいの確率で、下の写真のようなポッチと呼ばれるオパール(コモンオパールの一種)が見つかります。毎回期待を込めて石を割っていますが、グレードの高いプレシャスオパールは簡単には見つかりません。

     

    ※遊色効果を持たないオパールを「コモンオパール」、遊色効果を持つオパールを「プレシャスオパール」と呼ぶことが出来ます。下記のページ内でもう少しだけ詳しく説明しています。

     

    >>ボルダーオパールとは?ボルダーオパールは全部で何種類?

     

    <<ポッチ>>

    ボルダーオパール鉱山ポッチ

     

    ポッチと言えど、1キロ8ドル~25ドル(※2013年9月時点)の値をつけることは出来ますので、めぼしいものは車の荷台にのせて持ち帰ります。

     

    なお、この価格はフィールド価格(ヤワなどの鉱山町で売られている価格)であり、ebay(海外オークションサイト)などでの一般市場価格になると、最低でもこれの倍ぐらいにはなります。

    ページの最後に

    重労働に加え、重機の燃料代で1日約160ドル(※2013年9月時点)、さらには鉱山のリース代など「ボルダーオパール」の発掘にかかる費用は決して安いものではありません。ジェムグレードの原石が出ることを願い、シーズンのほとんどを我慢強く耐え忍びます。

     

    ワンシーズンに1回ジャックポット(ジェムグレード)が出れば同点、2回出れば逆転、3回でたら大勝利といったところでしょうか。

     

    このページで紹介した鉱山ですが、1回はジェムグレード原石にヒットしたものの十分な量ではなく、残念ながらマイナス50,000ドルという結果に終わっています。

     

    ただ、採れたジェムグレード原石はどれも極めて美しく、その中でも特に美しい数点はルースとなり、15,000ドル(※2013年9月時点)ドイツ人バイヤーの手に渡ったと記憶しています。

     

    通貨の強さと現地(ヨーロッパとアメリカ)での市場価格(ボルダーオパールの取引価格)が有利に働き、ドイツ人バイヤーとアメリカ人バイヤーはいつの時代も強いです。おもしろいことに、それぞれの国のバイヤーの特徴などもあるのですが、それは別の機会にお話ししたいと思います。

     

    それでは最後に、道中やアウトバックで記憶に強く残っている出来事をいくつか綴り、このページもいよいよ終わりとなります。

    1. 楽しいアクティビティ

    ◆アウトバックでの釣り

    ヤワから1時間半ぐらい車を走らせると、下の写真のような手つかずの自然を満喫できる場所があり、釣りを楽しんだり泳いだりして1日を過ごすことが出来ます。アウトバック特有のゆっくりとした時間が流れ、何とも言えない不思議な気持ちになる場所です。

     

    <<アウトバックに流れる川>>

    ボルダーオパールアウトバックでの釣り

     

    そして、車を運転している際にはカンガルーの群れと並走していたりと、アウトバックならではのアドベンチャー体験もすることが出来ます。

     

    ただ、ここに来るまでの道はデコボコ道(赤土)で、途中からは道順も迷路のようになってきます。電波も届いていませんので、一人で訪れるにはそれなりの勇気が必要です

     

    <<迷路のような道>>

    ボルダーオパールアウトバック迷路のような

    2. ハラハラした出来事

    ◆給油ランプ点灯

    この事件は真夏の真昼間、鉱場からブリズベンに戻っている時に起こりました。「少しリッターが高いし、次のスタンドで入れればいいか」と普通なら寄っているはずのガソリンスタンドを通り過ぎたわけですが、これが後でとんでもない事態を引き起こします。

     

    クーラー全開で車を走らせること1時間半、次の集落に無事着いたのは良かったのですが、何と給油所が臨時休業だったのです。

     

    次のガソリンスタンドまでの150キロ、燃料計を見ながらのエコ運転が始まりました。残り40キロ地点にもなると燃料ランプも点灯し、いよいよ止まった時のことを考え始めます。外の温度は40度、電波が入っていない場所で起こって欲しくない出来事が起ころうとしています。

     

    愛車の頑張り、そして運が良かったのでしょう、最後はエンジンも止まり惰性だけで前に進んでいる状態でしたが、何とかガソリンスタンドに自力で到着することが出来ました。ライフラインである水の重要性、常にガソリンは満タンにすること、自分を戒める良い機会になりました。

     

    ◆ハンドルが…

    少し肌寒さが残る南半球の10月、時刻は午前1時過ぎ、ブリズベンから鉱場へ向かっている時にこの事件は起こりました。「同じ姿勢も疲れたし、ハンドルの位置でも変えようかな」とハンドルの調整をしたところ、ハンドルがあるべき場所に固定されなくなってしまったのです。

     

    こんな可笑しなことはないだろうと、何度も固定しようとしますが元にすら戻りません。想像しにくいと思いますが、ハンドルがぶらぶらしている状態でハンドルを回すことすら出来ません。

     

    ロードサービスを呼ぶにも携帯の電波はありません。不幸中の幸いと言えば、車を走らせながらこの作業をしていなかったこと、そして電波の届く場所からそう遠くは離れていなかったとです。

     

    結局のところ、自分ではどうすることも出来ず、暗闇の中を歩いて引き返しロードワークサービスに電話しました。運良くその場で修理され旅を続けることが出来ましたが、直っていなかった時のことを考えると今でも少しドキッとしてしまいます。

     

    この他にもドキッする出来事はたくさんありましたが、どれも「運が良かったからその程度で済んだ」と思えることばかりです。

     

    ボルダーオパールには、「努力している人を幸せにしてくれる力がある」と言われていますが、他にも何か「お守りのような不思議なパワー」が宿っているのではないでしょうか。

     

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    記事公開日 2013年9月15日, 最終更新日 2022年10月21日

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