このブログには、作者TAKIが現地で経験して育んだボルダーオパールに関する知識や情報、実際の体験から得たアイディアなどが惜しむことなく記されています。多くの方にシェアしていただければ幸いです。
今回は、「ボルダーオパールとはどんなオパールなのか?」「ボルダーオパールは全部で何種類ぐらいあるのか?」この二本立てテーマで書き進めていこうと思います。
ボルダーオパールとは?
母岩付きのプレシャスオパールをボルダーオパールと呼びます。オーストラリア、クィーンズランド州西部が主な原産地です。
母岩付き?プレシャスオパール?
まずは順を追って言葉の説明をしていきます。
1. 母岩とは?
オパールがのっている岩の部分、オパールが入り込んでいる岩の部分を母岩と呼びます。
一般的な母岩の種類は、茶色の堆積岩(泥岩・砂岩・礫岩など)、またはこげ茶色(さび色)のアイアンストーン(ironstone・鉄鉱石)になります。この他にも黄土色の粘土系などもあります。
<<アイアンストーン>>
2. プレシャスオパールとは?
遊色効果(遊色)を持つオパールを「プレシャスオパール」、遊色効果を持たないオパールを「コモンオパール」と呼ぶことができます。プレシャスオパールのことを「ノーブルオパール」と表現する人もいます。
3. 遊色効果とは?
遊色効果を持つオパールは光の入り方(見る角度)により、さまざまな色(赤、オレンジ、黄色、緑、青、水色、または、紫)に変化します。
例えば、真上から見ると青く輝いている部分が、斜めから見ると赤に輝く、まるで色が自由気ままに遊んでいるようです。
このように色が変化する光学現象を遊色効果と呼び、英語では プレイ・オブ・カラー(play of colour)と表現されます。
また、光の入り方により、同じ色が濃く見えたり薄く見えたりする光学現象にも遊色効果という言葉が使われます。
ボルダーオパールの種類について
大きく分けると4種類、現地(ボルダーオパールの産地であるオーストラリア、クィーンズランド州西部の鉱山町)では「ボルダー」・「マトリックス」・「ナッツ」・「コングロマリット」とそれぞれが呼ばれています。
1. ボルダー
まずはボルダーと呼ばれているボルダーオパールについてお話していきます。ボルダーにも2種類あり、下の写真のタイプはフルフェイスと呼ばれるオパール層に沿ってカットを施したボルダーです。
<<フルフェイス>>
そして次の写真のタイプはパターンボルダーと呼ばれ、複数のオパール層に対し垂直にカットを施したボルダーです。
<<パターンボルダー>>
カットの施され方の違いにより名称も異なる2種類のボルダー、みなさんはどちらのボルダーがお好みですか?
2. マトリックス
次はマトリックスと呼ばれるボルダーオパールについてです。マトリックスに魅了され、ボルダーオパールファンになった方も多いのではないでしょうか。
<<マトリックス>>
遊色が母岩の中を網の目のように張り巡っているボルダーオパールをマトリックスと呼びます。
また、下の写真のように網の目のように張り巡っていなくても、遊色が母岩の中に入り込んでいるボルダーオパールは、すべてマトリックスと現地では呼ばれています。
<<マトリックス>>
ボルダーとマトリックスの違いの見分け方は?
明確な言葉の違いを持って分かりやすく説明することはできませんが、ボルダーは母岩にオパール(遊色)がのっている、マトリックスは母岩にオパール(遊色)が入り込んでいる、感覚的になりますが私はこのように理解しています。
3. ナッツとコングロマリット
次はユニークな特徴を持っている、個性的な2種類のボルダーオパールについてです。下の写真をご覧ください。
<<ナッツの特徴>>
この特徴的な部分はナッツと呼ばれ、この部分を単数個確認できるボルダーオパールをナッツと呼びます。
なお、複数個のナッツを確認できるボルダーオパールは、コングロマリットと呼ばれています。
<<コングロマリット>>
ヤワナッツとは?コロイトナッツとは?
ヤワ周辺で採れたナッツをヤワナッツ、同じくコロイト周辺で採れたナッツをコロイトナッツと呼ぶことができます。
明確なルールはありませんので、産地がそうであるコングロマリットを「ヤワナッツ」・「コロイトナッツ」と呼んでいる人もいます。
とは言いましても、もしも私が「ヤワナッツ・コロイトナッツ」と聞いたら、シングルナッツ(ナッツ1個)が石にドンっと入っているものを想像してしまいます。
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ボルダーオパールに関するあれこれ
みなさまが思っているであろうボルダーオパールに関する「ちょっとした疑問」をいくつかまとめてみました。
Q1. ボルダーオパールの原石、水につけて保管するべき?
水につけて保管しておかなくても、基本的には石の状態に悪影響を及ぼすことはありません。(※非常に稀にですが、割れてしまうことはあります。)
オーストラリア産オパールは水分の含有量が少ないため、他の産地(エチオピア産など)のオパールと比べると、圧倒的に乾燥には強いです。
なお、乾燥状態が続いても、石から遊色が無くなるということもありません。
個人的には、ほとんどの石を乾燥状態で保管しております。
Q2. RUB(ラブ)って何ですか?
カットされ、形が整えられた原石のことです。研磨に入る1歩、または1歩半手前の状態といったところでしょうか。逆に、まだ荒々しさが残っている原石は、ROUGH(ラフ)と呼ばれています。
Q3. ボルダーオパールのルースの保管方法は?
個人的には、「直射日光・密閉力が強すぎるルースケースの長期間使用・ほこり」を避けて保管するようにしております。
直射日光⇒ルースでの出来事ではありませんが、原石をオーストラリアの夏の太陽の下で数週間放置していると、3000個に数個の割合で石に割れが入ります。
密閉力が強すぎるルースケースの長期間使用⇒ケースに入ってくる空気の流れが完全に止まり、その状態が長期間続くと、石にクラックが入ってしまう場合があるみたいです。
私が密閉力の強すぎるルースケースを使用する場合は、数週間に1回は空気を入れ替えるよう心掛けています。
ほこり⇒ほこり自体は石に悪影響を及ぼしませんが、ほこりが石に付着した状態で石の表面を指で擦る、または何かで拭くと、石に極めて細かい引っ掻きキズが入る場合があります。
Q4. ボルダーオパールのルースのお手入れ方法は?
1. 水でほこりを洗い流す。⇒2. メガネふきシートやセーム革で水を拭き取る。⇒3. 息を吹きかけ、メガネふきシートやセーム革で指紋等の汚れを拭き落とす。
Q5. 汚れ落としにアセトン等の溶剤の使用はあり?なし?
石にダメージを与えることは無いと言われていますが、私の場合、(原石の汚れ落とし・研磨完了後の石の汚れ落とし)以外の目的で積極的に使用することはありません。
Q6. ボルダーオパール、裏面・サイドの状態は気にするべき?
個人的には、石の価値には多かれ少なかれ影響を及ぼすので、そういう意味では凄く気にしています。プライベートで石を楽しんでいる時は、全く気にしていません。
Q7. ボルダーオパールの価値はどのように決まるのですか?
遊色の強さ・遊色・模様・大きさ・石の状態、この5つが価値を決める上での重要なポイントとなります。下記のページにて詳しく説明しております。
Q8. ボルダーオパールにはどんな効果がありますか?
「未来を切り開く手助けをしてくれる」・「人をプラスの方向へ導いてくれる」・「災いから身を守ってくれる」、こんなパワーがボルダーオパールにはあると思っています。
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ページの最後に
耳にしたことがあるボルダーオパールの呼び方を書き足して、このページを締めくくりたいと思います。
1. クリスタルボルダー
クリスタルオパールが宿っているボルダーオパールをクリスタルボルダーと呼び人もいます。一般的には、遊色を持つ透明度の高いオパールがクリスタルオパールと呼ばれています。
しかし面白いことに、現地では下の写真のようなオパール(ミルキー系オパール)もクリスタルオパールと呼ばれています。(※ニックネームはクリスタル)写真のものは、世界で最も良質なクリスタルオパールが採れると言われている、ダッククリーク産のクリスタルです。
<<クリスタル>>
2. ライトボルダー
遊色を持つ半透明や不透明なボルダーオパールをこのように呼ぶ人もいます。
3. ブラックボルダー
母岩の色が黒色のボルダーオパールをブラックボルダーと呼ぶことができます。黒色の母岩は希少価値があるため、他のタイプの母岩のものより多かれ少なかれ高値で取引されています。もちろん遊色が入っていての話ですが、、、
石に見られる遊色の強さがハイブライト(強い色の遊色)やジェムカラー(非常に強い色の遊色)のものになると、石の値段は跳ね上がります。このようなグレードの高いブラックボルダーになると、ブラックオパールのようにカラットで量り売りされることもあります。
>>知って得するボルダーオパールの価値を決める5つのポイント
★遊色の強さについて詳しく説明しています
4. ピクチャーストーン
母岩と遊色が創り出す模様が動物であったり、景色であったり、何かの絵のように見えたりと、見る者の想像をかきたてるボルダーオパールをピクチャーストーンと呼ぶことができます。
余談ですが、私は下の写真のような魚に見えるピクチャーストーンを集めています。
<<ピクチャーストーン フィッシュ>>
以上、「ボルダーオパールとは?ボルダーオパールは全部で何種類?」でした。完
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記事公開日 2013年9月15日, 最終更新日 2023年11月18日