このブログには、作者TAKIが現地で経験して育んだボルダーオパールに関する知識や情報、実際の体験から得たアイディアなどが惜しむことなく記されています。多くの方にシェアしていただければ幸いです。
今回のテーマは「ボルダーオパールの目利きの仕方」です。
いまひとつ意味が分からない言葉や、聞きなれない言葉が出てきましたら、以下のページも参考にしてみてくだい。
★ボルダーオパールのことに関して詳しく説明しています
ボルダーオパールの目利きの仕方は?
遊色の強さ・遊色・模様・大きさ・石の状態、この5つがボルダーオパールの価値を決める上での重要なポイントです。
1. 遊色の強さ
遊色の強さとはオパールの輝きの強さのことで、これはボルダーオパールの価値を決める上で最も大事な要素です。色の強さは、ブライト以下<ブライト<ハイブライト<ジェムの順で強くなり、価値もそれに比例して上がります。
明るい色の遊色はブライトカラー、強い色(非常に明るい色)の遊色はハイブライトカラー、非常に強い色(極めて明るい色)の遊色はジェムカラーと呼ばれており、それぞれのグレードの中でさらに細かく上中下とクラスを分けることもできます。
ジェムカラーに限っては、上(じょう)のさらに上を行くクラスもありますが、原石・ルースともに一般の市場に出回っている数は極めて少ないのが現実です。仮に一般市場に出回っていたとしても、予想を遥かに超える高額な値段である場合がほとんどです。
言葉だけの説明を聞いても分かりにくいと思いますが、残念ながら色の強さを画像でお伝えすることも出来ません。さらに、「色の強さの捉え方」や「程度を表す言葉の使い方」は人それぞれ異なります。
遊色の強さに関しては、色々な人が扱うボルダーオパールを実際に手に取り、実物を見比べながら覚えていくのが一番の方法だと思います。
余談ですが、オパールマイナー(オパールを掘っている人)の胸ポケットから出てくるのがジェムカラーの上・極上クラス、秘蔵のオパールとして金庫から出てくるのが超極上クラスであったりします。
視界を一瞬で明るくするほどの極めて超強烈な色の輝きを持っており、購入出来る金額でないのが分かっていても頭の中でお金の算段をしてしまう、そんな魅惑的な輝きでもあります。
ジェムカラーの超極上クラス、自分で一度は掘り出してみたいものです。
<<鉱山の様子>>
>>ボルダーオパール鉱山の様子と片道1000キロの長い道のり
2. 遊色
思い出して少し話が逸れてしまいましたが、次は遊色が示す色、そして遊色の輝き方について話していきたいと思います。これもボルダーオパールの価値を決める上で無視できない大事な要素のひとつです。
遊色が示す色
実際の市場ではブルーやダークパープルは緑と同じ(※時にはそれ以上の)評価を受けていますが、遊色が示す色は「赤/レッド・橙色/オレンジ・黄色/イエロー・緑/グリーン・青/ブルー・水色/ライトブルー・紫/パープル」の順で価値があると言われています。
この順で価値があるのには市場での流通量が関係しており、その流通量には産出量が影響を及ぼしています。赤の産出量が一番少ないのですが、色を形成するまでに最も長い時が必要とされるからです。
※桃色/ピンクの遊色もありますが、教科書上ではどこに位置付けられているのか分かりません。個人的には色がしっかりとしたものであれば、グリーン以上の評価は与えています。
なお、石に見られる色の数が増えるほど石の価値はあがり、3色以上の遊色を確認できる場合には、それを「マルチカラー/マルチ色/マルチ遊色」と表現することができます。
突然ですが、ここまでのおさらいと休憩をかねて少し一緒に目利きの練習をしてみませんか?(遊色の強さ+遊色が示す色)
みなさんは、以下の特徴を持つ「A」と「B」の石、どちらの石がより価値がある(価値があるべき)だと思いますか?※模様・大きさ・石の状態などは全て一緒とする
Aの石(石の種類:ボルダー/フルフェイス)
遊色の強さ:ブライト以下
遊色が示す色:赤
Bの石(石の種類:ボルダー/フルフェイス)
遊色の強さ:ハイブライト
遊色が示す色:緑
聞きなれない言葉があるようでしたら、以下のページも参考にしてみてください。ボルダーオパールの種類や呼び方などを説明しています。
Q.1 「Aの石」ブライト以下/赤 VS 「Bの石」ハイブライト/緑
A1.「A」と「B」の石、個人的にはどちらの石も好きなのですが、純粋に色だけで価値を決める(遊色の強さと遊色が示す色だけで価値を判断する)目利きにおいて、「ブライト以下の強さの遊色」を持つ石が「ハイブライトの遊色」を持つ石に価値で勝ることは、残念ながらありえません。
オパールは赤が高い、決して間違った情報ではないです。しかしながら、明かりの元で探しに行って見つける赤と、少しばかり暗くても目に飛び込んでくるグリーン、後者の石のほうがより綺麗(宝石)だと思いませんか。
遊色の輝き方
特徴がある輝き方をする遊色には呼び名がついており、ここでは王道の2種類の輝き方を紹介したいと思います。どちらの輝き方も石に一定の価値をプラスします。
フラッシュ
擬態語で輝き方を表現するなら「ピカッ」、強い色の遊色と特に相性が良く、鋭く瞬間的に輝くのが特徴です。
ピンファイヤー
ラメのような細かい遊色がキラキラと輝くのが特徴です。フラッシュと同様、強い色の遊色と特に相性が良いです。
3. 模様
母岩と遊色が創り出す独特な模様は、ボルダーオパールの価値を決める上で非常に重要な要素となっています。他のオパールでは味わえないボルダーオパールならではの醍醐味だからです。
特にマトリックスの目利きでは、それが顕著に表れており、いかに複雑にオパール(遊色)が張り巡らされているかを判断基準とし、複雑になればなるほど価値は上がります。
また、よく見かける模様と珍しい模様では「レア度」が大きく異なってきます。自分の好みはさておき、このレア度を加味して石の価値を決めることも、ボルダーオパールの目利きをする上では大切な要素となっています。
遊色に特筆する点が無くても、「ユニークな柄(模様)」や「特殊な柄(模様)」を持つボルダーオパール、そして「ピクチャーストーン」と呼ばれる石が比較的高値で取引されているのには、このレア度が大きく関係しているからです。
ピクチャーストーンとは?
遊色と母岩によって創り出された模様が動物であったり、景色であったり、何かの絵のように見えたりと、見る者の想像をかきたてるボルダーオパールのことをピクチャーストーンと呼ぶことができます。
4. 大きさ
目利きもいよいよ終盤、ここではボルダーオパールの大きさが示す価値について、私なりの考え方をお伝えしていきたいと思います。個々の考え方の違いがはっきりと表れますので、非常に興味深い目利き要素です。
私がボルダーオパールの仕分けをする際は、まずは大きさで、大・中・小、そして極小の4つのグループに分けます。
実際は見た目で判断するざっくりとした分別作業になるのですが、参考までに数字を載せておきます。※石は各グループからランダムに10個ずつ選びました。
ここでまた突然ではありますが、みなさんは石のサイズが大きいだけで、それはボルダーオパールの価値にプラスの影響を及ぼすと思いますか?
色々な考え方があって当然だと思うのですが、私は遊色がきちんと確認出来る大きいサイズのボルダーオパールには、多かれ少なかれプラスの価値が与えられるべきだと思っています。
理由としては、石に見られる遊色にさほどの価値は無くても、サイズの大きいボルダーオパールにはやはり迫力があります。
また、大きい石にはリメイクの選択肢が残されているはずです。そして、このリメイクの選択肢が残されているという事実は大きなプラス要素となります。長さがある石に対してのリメイクの一例です。下の図をご覧ください。
ここでは触れませんが、厚みのある石であればスライスして2枚にするなど、リメイクの方法は他にも何パターンかあります。
実際のところ、このようにリメイク後の石の姿(マイナス要素を取り除けるかどうかを含んで)石を目利きし、リメイクすることを前提にルースを購入している人は少なくありません。
また、ネットオークション等で購入した石が届いた際、「思ったより小さすぎる」と残念な気持ちになることはあっても、想像以上に大きい石が届いたことに対して不満に思う人はいないはずです。
この事からも、大きさがある石は多少なりとも価値がプラスされ、小さすぎる石(3.0ct未満のボルダーオパール)は過大評価されるべきではないと私は思っています。
基本的にボルダーオパールは、ブラックオパールなどのように1カラットいくらで量り売りされるオパールではありません。
5. 石の状態
いよいよ目利きも最後の項目、ここではどのように石の状態を見極めるのかを話していきたいと思います。
石の状態の見極めとは、石が持つマイナス要素を見つけ、それが価値にどれくらいのマイナス影響を与えているかを、冷静に分析する作業だと私は思っています。石に対して申し訳ない気持ちになりますが、マイナス要素をきちんと把握するのはとても大切なことです。
参考までに私のやり方を載せておきます。この作業は表面から始まり裏面へ、最後はサイドを確認して終了となります。基本的には明かりのもと肉眼で、ルーペで詳しく確認する場合もあります。なお、裏面とサイドも多かれ少なかれ評価の対象となります。
1. 割れはあるのか?あるならどの程度のものか?
・目立つ割れは「クラック」と表記
・そこまで目立たない小さな割れは「フラクチャー」と表記
2. 穴はあるのか?あるなら大きさは?
・大きさに応じて「小穴・中小の穴・大中小の穴」と表記
3. 欠け・擦れはあるのか?
・ある場合は「欠けあり」、「擦れあり」とそれぞれ表記
4. 研磨の仕上がりはどうか?
・磨き込みを完璧にしていない石には「研磨の甘い箇所あり」と表記
ボルダーオパールの場合、その性質上100%クリーンな石(マイナス要素がゼロの石)を見つけるのは非常に困難です。そのため許容範囲内のマイナス要素であれば、価値がそこまで大きく下がることはありません。
許容範囲の基準ですが、個々の価値観の違いもありますし、自分がそのマイナス要素を見た時にどう思うかで判断して良いと思います。
さほど気にならないキズであったり、ボルダーオパールの性質上しょうがないと思える小穴などであれば「許容範囲内のマイナス要素」とし、正規の価値より5%~15%ほど割り引いて考えるだけで結構だと思います。
そうでないものは全て「許容範囲外のマイナス要素」とし、正規の価値より最低15%~25%は割り引いて考える必要があります。私の場合ですと、ひとつ下(した)のグレードクラスの価格帯にしたり、マイナス要素の度合いよってはふたつ下のグレードクラスの価格帯にすることもあります。
まとめ
今でも現場でオパールを掘り続けている師匠たちや、自分の経験・体験から得た目利きの知識を私なりに編集し、自分が実際に行っている目利きの仕方を要素ごとに紹介いたしました。
<<実際の仕分けの様子/ルース>>
要素ごとの価値を導き出しましたら、それらの価値を総合的に考え、あとはそれを貨幣の価値で判断して(値段をつけて)目利きは終了となります。
通販は行っていますか?⇒【通販情報】ボルダーオパール・ウッドオパールのDM販売について|TAKI|
対面販売は行っていますか?⇒【2024年5月】浅草石フリマ春|TAKI ボルダーオパール対面販売情報|
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以上、「知って得するボルダーオパールの価値を決める5つのポイント」でした。完
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最終更新日 2024年7月7日